This is a Japanese translation of “Fermi estimate” and “The number of seabirds and sea mammals killed by marine plastic pollution is quite small relative to the catch of fish”
フェルミ推定(または封筒裏の計算、しばしばBOTECとも略される)とは、正答との誤差が約1桁以内(1/10 ~ 10倍)に収まるよう概算することであり、膨大な思考や研究を行ってより高い精度を求めることよりも、十分有用な程度に答えを得ることを優先する。典型的なフェルミ推定では、様々な単純化した仮定を置き、問題をより小さく扱いやすい単位に分解することで答えを近似的に導く。オープン・フィランソロピーや効果的利他主義コミュニティー内の団体では、インパクト評価や活動の優先順位付けのためにフェルミ推定を日常的に使用している。
Berger, Alexander (2014) Alexander’s back of the envelope “importance” calculations, GiveWell.
Muehlhauser, Luke (2013) Fermi estimates, LessWrong, April 11.
von Baeyer, Hans Christian (1988) How Fermi would have fixed it, The Sciences, vol. 28, pp. 2-4.
ヴァスコ・グリロ 2022年4月19日
一人あたり年間一キログラムのプラスチックが海洋に排出されている[1]
一人当たり年間0.0002羽の海鳥・海棲哺乳類が海洋プラスチック汚染で死亡している
一人当たり年間200匹の天然魚が捕獲されている
天然魚の漁獲数は、海洋プラスチック汚染によって殺される海鳥・海洋哺乳類の数の100万倍である
データと計算結果は以下の通りである。
2010年に海洋に排出されたプラスチックの総量(PEO):800万トン
2010年の世界人口(WP):69.2億人.
プラスチック破片を原因とする海鳥の死亡数(DS):年間100万羽以上
プラスチック破片を原因とする海棲哺乳類の死亡数(DMM): 年間10万匹以上
天然魚の漁獲数(WFL~WFH):年間0.97兆~2.7兆
2010年の一人当たりの海洋へのプラスチック排出量(PEOpC): PEO / WP = 800万トン / 69.2億人 = 1.16kg
海鳥や海棲哺乳類を1匹死亡させるだけの海洋に排出されるプラスチックの量(PEOpD): < PEO / (DS + DMM) = 800万トン / (100万羽 + 10万匹) = 7.27トン = 7270 kg
2010年に一人当たりのプラスチック海洋汚染で死亡した海鳥/海棲哺乳類の数(DpC):< PEOpC / PEOpD = 1.16 kg / 7270 kg = 159 * 10^-6 以上
年間野生魚の漁獲数(WF):(WFL * WFH)^0.5 = (0.97 * 2.7)^0.5 兆 = 1.62兆
一人当たりの年間野生魚の漁獲数(WFpC):WF / WP = 1.62兆 / 69.2億人 = 234
天然魚の漁獲量と海洋プラスチック汚染により死亡した海鳥・海洋哺乳類の数の比:WFpC / DpC = 234 / 159 * 10^-6 = 100万.
1 kgは世界全体で見た値であり、多くの国ではこの値は1kgよりもずっと小さい。地球上のプラスチック廃棄物の3%が海洋に排出されているにもかかわらず、ほとんどの国では0.1%未満のプラスチック廃棄物しか海洋には排出されていない(参照)。
フェルミ推定 + 適用例
This is a Japanese translation of “Fermi estimate” and “The number of seabirds and sea mammals killed by marine plastic pollution is quite small relative to the catch of fish”
フェルミ推定(または封筒裏の計算、しばしばBOTECとも略される)とは、正答との誤差が約1桁以内(1/10 ~ 10倍)に収まるよう概算することであり、膨大な思考や研究を行ってより高い精度を求めることよりも、十分有用な程度に答えを得ることを優先する。典型的なフェルミ推定では、様々な単純化した仮定を置き、問題をより小さく扱いやすい単位に分解することで答えを近似的に導く。オープン・フィランソロピーや効果的利他主義コミュニティー内の団体では、インパクト評価や活動の優先順位付けのためにフェルミ推定を日常的に使用している。
さらに詳しい情報はこちら
Berger, Alexander (2014) Alexander’s back of the envelope “importance” calculations, GiveWell.
Muehlhauser, Luke (2013) Fermi estimates, LessWrong, April 11.
von Baeyer, Hans Christian (1988) How Fermi would have fixed it, The Sciences, vol. 28, pp. 2-4.
海洋プラスチック汚染が一部の野生動物に及ぼす直接的影響は小さいようだ
ヴァスコ・グリロ 2022年4月19日
概要
一人あたり年間一キログラムのプラスチックが海洋に排出されている[1]
一人当たり年間0.0002羽の海鳥・海棲哺乳類が海洋プラスチック汚染で死亡している
一人当たり年間200匹の天然魚が捕獲されている
天然魚の漁獲数は、海洋プラスチック汚染によって殺される海鳥・海洋哺乳類の数の100万倍である
データと計算結果は以下の通りである。
データ
2010年に海洋に排出されたプラスチックの総量(PEO):800万トン
2010年の世界人口(WP):69.2億人.
プラスチック破片を原因とする海鳥の死亡数(DS):年間100万羽以上
プラスチック破片を原因とする海棲哺乳類の死亡数(DMM): 年間10万匹以上
天然魚の漁獲数(WFL~WFH):年間0.97兆~2.7兆
計算方法
2010年の一人当たりの海洋へのプラスチック排出量(PEOpC): PEO / WP = 800万トン / 69.2億人 = 1.16kg
海鳥や海棲哺乳類を1匹死亡させるだけの海洋に排出されるプラスチックの量(PEOpD): < PEO / (DS + DMM) = 800万トン / (100万羽 + 10万匹) = 7.27トン = 7270 kg
2010年に一人当たりのプラスチック海洋汚染で死亡した海鳥/海棲哺乳類の数(DpC):< PEOpC / PEOpD = 1.16 kg / 7270 kg = 159 * 10^-6 以上
年間野生魚の漁獲数(WF):(WFL * WFH)^0.5 = (0.97 * 2.7)^0.5 兆 = 1.62兆
一人当たりの年間野生魚の漁獲数(WFpC):WF / WP = 1.62兆 / 69.2億人 = 234
天然魚の漁獲量と海洋プラスチック汚染により死亡した海鳥・海洋哺乳類の数の比:WFpC / DpC = 234 / 159 * 10^-6 = 100万.
1 kgは世界全体で見た値であり、多くの国ではこの値は1kgよりもずっと小さい。地球上のプラスチック廃棄物の3%が海洋に排出されているにもかかわらず、ほとんどの国では0.1%未満のプラスチック廃棄物しか海洋には排出されていない(参照)。